データの入手 ② -様々な衛星画像と入手先(Sentinel-2)-
1. Sentinel-2画像を使ってみよう!
上記の先日のエントリで紹介したLandsatは、衛星画像の中でも特に有名どころです。かなりの長期間運用されている衛星シリーズなのでアーカイブも豊富で、世界中のどんな地域でも、大抵何枚かの状態の良い(雲が映り込んでいない)画像が入手できます。
しかしながら、空間分解能(画像の1画素が実際の何メートルに相当するか)があまり高くないという欠点があります。最新のLandsat8で30m/pixel、パンシャープン(白黒の分解能の高い画像と組み合わせて疑似的に分解能を高める)でも15m/pixelなので、細かい土地状況を見たい場合には物足りなく感じます。
そこでこのエントリーでは、Sentinel-2画像を紹介します。Sentinel-2は欧州宇宙機関(ESA)が森林監視や土地被覆変化の検出、自然災害対策などの事業を支援するような地表観測を行う衛星として打ち上げたもので、2015年6月より運用が開始されています(https://ja.wikipedia.org/wiki/Sentinel-2)。何よりの利点は10m/pixelとLandsatより分解能が高く、Landsat同様無償でダウンロードが可能なことです。下記の性能の画像が無償で手に入るとは、すごい時代になったものです。
(Wikipediaより)
1.2.Sentinel-2画像の入手
https://scihub.copernicus.eu/dhus/#/home
Copernicus Open Access Hubページ(https://scihub.copernicus.eu/)から、Open Hubアイコンで上記の検索ページに飛べるようになっています。左上のSIGN UPからユーザ登録を済ませログインすれば、画像の検索とDLが手軽にできるようになっています。使い方は簡単で、直感的に使いかたが分かるようになっていました。
上の画像のように、ダウンロード前に画像の状況をサムネイルでチェックできるので使い勝手が非常に良いです。
1.3.Sentinel-2画像とLandsat画像の比較
両画像にどのくらい差があるのかについて比較してみました。
始めに、こちらはGoogle Earthの画像です。1pixelが数メートル程度の極めて高分解能の画像を使っているので、このズームレベルでも細かいところまで地表の様子が確認できます。
続いてLandsatの画像です。こちらはパンシャープン化しているのでぱっと見それなりに解像感がありますが、拡大して細かく見ていくと粗が目立ちます。広域分析向きの画像です。
そしてこちらがSentinel-2画像です。このズームレベルでは一見Landsat画像とそれほど変わらないようにも見えますが、更に近づいて見ると差がはっきりします。
Sentinel-2では地表の植生の様子がそれなりに具体的に観察できますが、Landsatになると植生/非植生より細かい識別は目視では難しくなっています。